社会医療法人 共愛会広報誌 Tsunagaru 2020年秋号
自動検温装置(サーモグラフィーカメラ)を導入
共愛会各施設では、感染予防対策としてご来院の皆様に検温を実施させていただいております。この度、戸畑共立病院において、検温をスムーズに行うために自動検温装置(サーモグラフィカメラ)を導入いたしました。カメラの前に静止すると、数秒で体温が確認できます。これまで職員が検温しておりましたが、自動検温装置の導入により、ご来院の皆様をお待たせすることなくご案内できるようになりました。引き続き、検温へのご協力をお願いいたします。
病気のはなし
病気の発見や予防につながる
適切な治療ために適切な診断を
がんの診断方法
画像診断センターの内山大治に聞きました
最大の治療効果を得るために
ほとんどの病気に対して適切な治療を行うためには、適切な診断を必要としています。がん診療においても同様で、各臓器に対する治療を適切に行うためには、がんの種類や広がりを正確に診断する必要があります。これは、最大の治療効果を得るために、治療の体への負担を最小限にし、がんとの共生社会を目指しているためです。したがって、がんの診断には主治医の問診・診察以外に、血液検査、内視鏡検査・内視鏡診断、画像検査・画像診断、病理検査・病理診断など、多くの検査が行われ、種々の検査の組み合わせによる総合的な診断が必要です。ここでは、私が専門とする放射線診断学についてご紹介したいと思います。
放射線診断学は単純X線やCT、核医学などの放射線を用いた検査以外に、超音波や磁気共鳴検査(MRI)などの放射線を用いない画像検査も含まれ、最近では画像診断学とも言われています。技術の発展に伴い画像診断学の進歩は目覚ましく、ほぼすべてのがん診療において画像診断の果たす役割は極めて大きなものとなっています。これらの画像検査を司り、頭から足先まで全身を診る放射線診断医(画像診断医)は、体の輪切りの画像や造影剤投与前後での変化を調べることで、病気の種類を推察したり、腫瘍の形態や位置・広がり、正常組織との関係を調べるなどといった的確な画像診断はもとより、被爆や侵襲性など各検査法の特徴を考慮して、適切な検査法、撮像方法や部位を決定・推奨することなどを行っています。
検査に対する不安や疑問点等あれば、主治医もしくは放射線科医師に質問することをお勧めします。ご自分が受ける検査目的や方法についてある程度知っておくと、検査結果や治療法がよりわかりやすくなると思います。
画像が鮮明で待ち時間が短い
戸畑共立病院画像診断センター
最新のX線撮影システム
(フラットパネル装置)
最新の画像診断について山本晃義に聞きました
レントゲン写真もデジタルカメラの時代!?
数十年前、私が小学生のころに親から古いカメラを譲り受け、それを持って外に出かけて様々な風景写真を撮影してました。写真屋さんへフィルムを持ち込み、数日後、きちんと写真が撮れているか、期待と不安でドキドキしながら引き取りに行ったものです。しかし、デジタルカメラの登場により、撮ったその場で写真を確認できるようになりました。今ではカメラ付きの携帯電話も出ており、誰でも簡単にキレイな写真が撮れるようにもなりました。
実は、このような技術がレントゲン写真にも利用されていることは、あまり知られていないと思います。レントゲン検査は体にX線を当て、体から出てきた様々な情報を持ったX線を特殊な装置で受けて写真にしますが、その際、撮った写真はその場でパソコンの画面上で確認できますので、まさにデジタルカメラのようなものですね。
当院では昨年の7月、最新のX線検査の装置を導入しました。これまでの脊椎全体(首から腰の骨まで)や骨盤から足の先まで撮影する際、数回に分けて撮影する必要があり、検査時間も30分くらいかかっていました。この最新装置では、一回X線を当てるだけで脊椎全体や足全体を検査でき、しかも写真を瞬時にその場で確認できるので患者様の負担も随分少なくなりました。現在では検査時間が短くなり、患者様の待ち時間も大幅に短縮され、サービス改善に大きく貢献しております。検査を行うときに装置のことで気になることがありましたら最寄りのスタッフに遠慮なくお尋ねください。
認定看護師・技師からのmessage ~伝えたいこと~ Vol.11
飛躍的に進化したCT検査
皆さん、CT検査の画像を見たことはありますか?CT画像はよく「体の輪切り画像」と表現されます。近年のCT装置の進歩は著しく、専門的な画像処理を施すことで「輪切り画像」だけでなく、様々な画像表示を行うことができるようになりました。上に示すのはほんの一例ですが、「3D画像」といって患者さまに疾患を説明する際や手術の前に綿密なシミュレーションを行う際に役立つものです。白黒のCT画像を用いて作成するのですが、色付けをすることで誰にでも疾患を理解しやすい画像となっていますこのように、現代の医療において患者様の病気を早期発見し、安心して安全に治療を受けていただく上でCT検査は必要不可欠となっています。
一方で、CT検査というと被ばく線量に関して不安を抱く方もいるかと思います。CT検査で受ける被ばく線量は微量であり、過度に心配する必要はありませんが、少しでも少ない被ばく線量で検査を受けたいと思うのが患者様の心理だと思います。そこで、私たちX線CT認定技師は、日額の線量を管理しつつ、患者様の疾患や治療法などに合わせて最適な検査を提供できるように、日々更新される最新技術の獲得やその有用性などを専門的に評価しています。私たちは複雑化した技術への対応を図りながらCT検査を実施し、様々な形でCT画像を提供することにより、患者様に寄り添うCT検査を目指しています。
Tell Me Doctor おしえてドクター
骨密度健診(骨粗鬆症健診)を受けましょう
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは骨が折れやすくなる病気の一種で、加齢や生活習慣などによって骨量(骨の成分量)が減ることで引き起こされます。
自己やケガで骨に想定外の負荷がかかれば誰でも折れる可能性はありますが、骨粗鬆症の骨折は、日常生活にありがちな程度の負荷でも折れてしまうのが特徴的です。
例えば「転んで足のつけねが折れた」「咳で肋骨が折れた」などが挙げられます。また高齢になって身長が縮む・背中が曲がるのも、骨粗鬆症が原因と考えられています。
特に女性は、骨粗鬆症にかかりやすい傾向があります。骨量を維持する役割のある女性ホルモンが、閉経後に急激に減少するからです。また、ダイエットの影響で骨量が不十分な方も見受けられます。骨量の減少に早めに気づけば、生活習慣の工夫や治療によって骨折のリスクを下げることができますので、1年に1回は骨密度健診をお勧めいたします。
骨密度健診は北九州市の住民健診で受けられますが、集団検診のみとなっています。当健診センターでの検査は住民健診の対象外ですが、それでも差し支えなければお受けできますのでご希望の方はご相談ください。
なお、この検診は検査方法に注意が必要です。例えば、骨粗鬆症によって腰椎が変形している方が腰椎で骨密度を測ると、すでに骨がつぶれて密度が上がっているがために「骨粗鬆症ではない」という誤った結果が出てしまうことがあります。
当健診センターでは原則として前腕で検査しますが、問診で骨折歴などをお伺いした上で検査部位を決定します。信頼性の高い結果を出すために、問診へご協力をお願いいたします。
TEL.093-871-6025(直通)
受付時間/8:30~17:00
ご予約について 午前中は電話が込み合いますので、午後からのご予約をお勧めいたします
リハビリスタッフ オススメ!
ロコモ予防で健康なからだ作り
主に移動機能の低下に関わる足腰の強化を期待できます。自宅でできるロコトレを毎日続けて、元気な足腰を手に入れましょう。動作中は息を止めないようにするのがポイントです。個人差がありますので体力に合わせて行い、無理をしないように注意してください。
私のONとOFF
スタッフの仕事とプライベートをみなさまにご紹介します
明治町デイサービスセンター 池見 博美
ゆっくり話をする穏やかな時間
デイサービスで働くのは初めてでしたが、勤めて1年半が過ぎました。最近では、高齢者の方と一緒に作成できるものを探求しており、絵手紙を始めました。しかし、私自身、絵が苦手だったので四苦八苦でした。今では、誕生日カードとして利用者様にお配りすることができるようにもなりました。利用者様から「ここに来るのが楽しみ」等々の声を聴き、嬉しく思います。これからも、利用者様と共にゆったりとした楽しい時間を過ごせたらと思っています。
Q.あなたの趣味は何ですか?
A.友人や家族の犬のカット(トリミング)をすることです。
Q.それはいつから始めましたか?
A.30年前に仕事として始めました。いまでは、趣味として楽しくカットしています。
Q.趣味にまつわるエピソードは?
A.一月に友人や家族の犬を3匹カットしています。まん丸にカットすることができた時は、達成感だけでなく、心の底から満足することができます。
旬の簡単レシピ
今回の旬の食材 さつま芋
さつま芋は様々な品種があり、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を効率よくとることが出来るので、腸内環境を整え、便秘の改善効果が期待されます。また風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があるビタミンCを含んでいますが、でんぷんに守られていて加熱しても壊れにくくなっています。
材料(5名分)
さつま芋 130g
水 大さじ2
調整豆乳 200cc
砂糖 30g
粉ゼラチン 3g
水 大さじ2
ホイップクリーム 10g
作り方
① さつま芋は皮を取って、1センチ程度に切って、しばらく水にさらし、水分を切る。
耐熱容器にさつま芋を入れて、水大さじ2を加えて、600W電子レンジで6分加熱する。
② ①のさつま芋をマッシャーやブレンダーなどでつぶす。
(つぶしにくい時は豆乳を大さじ2杯(分量外)入れる。)
③ 耐熱容器に粉ゼラチンと水大さじ2を入れてふやかし、600W電子レンジで2分加熱し溶かす。
④ 大きめの耐熱容器に調整豆乳と砂糖を入れて、600W電子レンジで1分半加熱する。
⑤ ④に②のさつま芋と③のゼラチンを加え、泡だて器でよく混ぜる。
⑥ ⑤を冷蔵庫で冷やし固めて出来上がり。