社会医療法人 共愛会

看護師特定行為研修開講式

約 5 分

管理委員長挨拶

 令和2年6月6日、看護師特定行為研修第3期生開講式を予定しておりましたが、北九州地区は5月末より再度新型コロナウイルス感染のクラスター発生が病院、施設で生じ、この対応に市及び医師会、市内の救急病院は昼夜を問わず収束に奮闘中であります。
社会医療法人共愛会でも新型コロナウイルスと救急医療に追われているところであります。

 北九州地区の状況を見るに、断腸の思いで開講式を中止せざるを得なくなりました。
入講される皆様には大変申し訳なく思っております。

 しかしながら、看護師特定行為研修は、その理念・目的・目標から、高度な専門的知識と技能を身に付け、理解力、思考力、判断力を備え、医師をサポートするとともにチーム医療のキーパーソンとして安全な医療を提供する重要な役割を担うこととなります。この様な医療看護を実践するにあたり、臨床病態を理解し、患者に一番適した医療を自ら考え医師とともに行っていくための研修であります。

 臨床経験豊富な皆様が、再度知識を見直し、また知見を得る一年間は今後看護師としてのスキルアップのみならず、必ずや役立つと信じております。
一年間という長丁場ではありますが、健康に留意され、是非達成してもらいたいと思います。

看護師特定行為研修
管理委員長 今村 鉄男

研修生挨拶

僭越ながら入講生を代表いたしまして挨拶をさせていただきます。
まずは、このような学習の機会をいただけましたことに深く感謝申し上げます。
さて、国民皆保険制度のもと膨れ上がる医療費の削減、超高齢社会における介護・医療の在り方が問われる中、政府は地域包括ケアシステムの構築を推進しています。この体制を受け、今後ますます看護の提供の場は広がり、看護師にアセスメント能力の向上が求められることは想像に難くありません。看護者の倫理綱領に謳われている『能力の開発』は、私たち看護に携わる者の責務でもあります。
新年度を挟み新型コロナウィルスに翻弄される日々において、PPE着脱やコミュニケーションの原理原則はもろくも崩れ去り、医療安全が十分に保障されない中、それでも日々奮闘する医療従事者の倫理観と使命感に頭が下がるとともに、自らも背筋が伸びる思いです。
最後になりましたが、今回の研修に際し、ご指導をいただく先生方、研修カリキュラムの構築に関わってくださった皆様、何よりも症例を提供していただくクライアント(患者及びその家族)の皆様に感謝を忘れず、真摯に研修に向き合うことをお誓いし、入講の挨拶とさせていただきます。

 三期生代表    永田英子

看護師特定行為研修看護責任者より

ご入講おめでとうございます。
2015年10月に「特定行為に係る看護師の研修制度」を導入、2025年に向けて在宅医療等を支えられるだけの研修修了者数を10万人以上の養成を目指しています。しかし、特定行為研修制度導入後5年経過した現在、特定行為研修の指定研修機関は40都道府県134機関(2019年8月現在)、特定行為研修を修了した看護師総数は1,685名、修了者延べ数13,217名(2019年3月現在)と目標の約十分の一しか確保、養成ができていません。特定行為研修制度の普及に関しては、様々な課題がありますがその中、修了生の活動が見えないこと等が挙げられます。
本指定研修機関として研修受講から研修修了後に向けて自律した看護師を育成することを教育理念として掲げております。そのためには、研修生自身も知識・技能・態度を身につけなければなりません。更に「自分で考えて行動する力」が必要になります。
今、求められる看護は、「患者を自分の力で診察した上で患者の状況をアセスメントし、臨床推論をしながら判断しなければなりません。自分の所見の取り方、そして判断を繰り返し、妥当性を確認、検討する。」これまでの看護教育や臨床での教育に無かった、新たな教育内容になります。今まで、患者の状態を見たときに、「なんとなく大丈夫」、「なんか変」と思っていたことが医学的な知識を学ぶことで、根拠をもって判断できるようになります。つまり、医師の思考を理解できる看護師の育成が特定行為研修であり医師の業務負担軽減だけではないことです。
この研修期間においても「特定行為研修を修了した看護師」として、活躍するため自己の課題や看護の視点を忘れずに「看護者の倫理綱領」を行動指針とすることが看護専門職として自律していくことと信じています。

この度、新型コロナウイルス感染のため開講式が中止となり非常に残念でしかたありません。加えて、研修開始が延期となり対面での研修は6月から8月になりました。
研修生も不安な心境の中で研修を受けることとなりました。しかし、本指定研修機関としてカリキュラムを再編成し学習環境を整えて研修を実施いたしますのでご安心ください。
8月の研修を楽しみにしております。たくさんディスカッションしながら充実した研修にしましょう。

看護師特定行為研修 看護責任者
秋吉 夕子