CT検査とは
CT(Computed Tomography)は、X線の照射とコンピュータ処理を用いて、身体内部を画像化する検査です。
血液検査や尿検査、レントゲン検査、超音波検査などの結果より、さらに詳細に身体内部を知る必要がある際に実施されます。従来は、輪切り画像(断面画像)とも言われていましたが、装置の高性能化に伴い断面画像だけでなく、様々な方向からの画像観察が可能となりました。
当院のCT検査
世界一広範囲の撮影が可能な「320列面検出器」を搭載していることから、従来のCT装置より飛躍的に検査時間が短くなりました。また、広範囲を高速で撮影可能なため、呼吸停止が困難な患者様や動きのあるお子様においても洗練された画像提供が可能です。
さらに、特殊技術を用いることで被ばく線量の低減や造影剤量の低減を図りつつ、身体の内部をより精細に写し出すことが可能であり、様々な病気の発見に役立ちます。
これら装置の持つ高度な技術を最大限に発揮するためにも、当院ではCTに関する学術研究を多く実施することで最新情報の取得に努め、患者様への優しい医療提供を心掛けています。
検査について
頭部領域 では320列面検出器を活かした高精細画像が撮影可能
頭部領域では出血や梗塞、腫瘍などさまざまな病気が存在します。その原因となる血管の形や太さは人によって様々ですが、当院のCTと造影剤という薬剤を用いることでそれらを正確に画像化することができます。特に4D撮影という特殊な撮影を行うことで、血液の流れを見ることが可能となり血流の違いによる病気の発見にも役立ちます。
循環器領域 では高速撮影の利点を活かした静止画像を作成
心臓は握りこぶし程の小さな臓器であり、その血管はさらに微細かつとどまることなく常に動き続けています。この血管を静止画像として画像化することは非常に困難なことですが、最速0.35秒で撮影が可能な当院の撮影技術を最大限に活かすことで、心臓においても他の動きのある臓器同様に動きやボケのない画像提供が可能です。心臓の血管の石灰化などを評価することで、治療に役立てます。
整形領域 では細かな骨折を発見する高精細な画像を作成
整形領域では、骨折の有無やその重症度を把握するためにより詳細なCT検査が役立ちます。
整形領域では他の部位の検査と比較して低被ばくかつ短時間で検査が可能であることから、小児から高齢者まで安心して検査を受けていただけます。CT撮影後は、診療放射線技師が「MPR画像」や「3D画像」と呼ばれる高度な画像を作成することで、骨折の程度を正しく判断し、患者説明や手術の際に役立てています。
3D画像 を用いた手術シミュレーションにより安全な手術を提供
CT検査で撮影した画像を最大限有効活用して、診断用・治療用・患者様説明用に3D画像を作成しています。3D画像は、CT画像と比べて多彩かつ立体感があるため、誰が見ても病態を理解しやすい特徴があります。また医療従事者にとっても手術のシミュレーションをする際に欠くことのできない存在です。
これらの精細な画像を機械的に作成することは困難であり、非常に多くの知識と高度な技術が必要となります。当院では人の手による高精細かつ丁寧な画像提供を行っています。
CT検査を受ける方へ
検査の前に 以下のことを確認して、ご来院ください。該当する項目があればお知らせください。
・妊娠中の方、妊娠の可能性がある方はお知らせください。
・心臓ペースメーカー、埋め込み型除細動器をご使用の方はお知らせください。
・検査着に着替えていただく場合がありますので、着替えやすい服装でおいでください。
・金属・アクセサリー・湿布・その他撮影に影響するものは外してもらうことがあります。
・単純CT検査を受ける方は、食事の制限はありません。
・腹部CT検査と造影CT検査の方は、検査の4時間前から食事をしないでください。
・水やお茶、スポーツドリンクは飲んでもかまいません(※牛乳・コーヒーは飲まないでください)。
・糖尿病薬を服用されている方は医師に確認してください。
・授乳中の方は造影剤を使用する場合、検査後48時間授乳を控えて下さい。
検査を受ける方へ
被ばく線量 について
CT検査ではX線を用いるため、放射線被ばくを伴います。
当院では、法令や関連学会のガイドラインをもとに、CT検査による放射線被ばくを必要最小限に留めるよう常日頃より心掛けています。CT撮影時には患者様の年齢や体格を考慮し、CT装置に備わる多くの被ばく低減技術を駆使することで、放射線被ばくの低減に努めています。
被ばくに対する不安や疑問があれば、院内スタッフにご相談ください。