下肢静脈瘤

下肢の静脈瘤とは下肢の皮膚に近い浅い部位に存在する静脈が大きくなり、青筋が目立つ状態になる疾患です。主に膝下の内側に認めることが多いです。原因は長年の立ち仕事、妊娠・出産や肥満などです。女性に多く、妊娠・出産を機会に起こってくることがよく見られます。起こってくる機序は長年の立ち仕事などで、からだの下半身にある足の静脈に圧がかかり、静脈に存在する逆流防止弁の閉まりが悪くなり、逆流が始まることで静脈瘤ができてきます。「だるい」「足に湿疹がでる」「足がつる」「青筋の部分が痛い」などが症状です。

ステント前(左)ステント後(右)

下肢静脈瘤の治療にも幾つかの方法がありますが、現在最も多く、安全に行われているのは
①レーザーによる下肢の大伏在静脈や小伏在静脈の焼灼術です。
この方法は静脈の逆流防止弁が破綻している大伏在静脈や小伏在静脈の中にレーザーを出せるカテーテルを挿入して、長さは様々ですが、長い人では40cm程度焼灼して静脈を閉塞させ、逆流を止める方法です。追加で皮膚の上から目立つ大きな静脈は3mmの切開で摘出します。通常は局所麻酔で1日入院で手術を行っています。
手術終了後。当日の夕方から通常に歩行可能で、夕食も日常通りです。

ステント前(左)ステント後(右)