切らないがん治療

リンパ節に転移している可能性が極めて低い早期のがんに対しては、内視鏡を使用し、おなかを切ることなく悪性腫瘍(がん)のみを切除できる治療を行っています。
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)という術式を実施しています。

腫瘍の下に専用の液体を注入し、病変を盛り上がらせた後、専用のナイフを用いてまるごと剥ぎ取る方法です。リンパ節転移のないがんであることが条件ですが、内視鏡下で実施できるため、入院も短期間で済みます。

治療の様子

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病変周辺にマークを付けます。 マークに沿って、電気メスで切込みを入れます 切り込んだ部位から、
特殊な電気メスを用いて病変をはがしていきます。

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剥離中 剥離後の病名部位 剥離した病変

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 動画

LinkIcon胃ESD(flv約31MB)

LinkIcon食道ESD(flv約10MB)

LinkIcon大腸ESD(flv約13MB)

内視鏡的ポリープ・粘膜切除術(EMR・ポリペクトミー)

胃や大腸に発生する良性や悪性の腫瘍(ポリープ)を、専用の処置具で切除する方法です。
切除できる腫瘍の大きさに制限はありますが、もっとも早く、安全に切除できます。切除後は出血を伴うこともあり、1~2日の入院が必要となる場合があります。

治療の様子

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大腸粘膜に発生したポリープ。 生理食塩水を用いてポリープを起上させます。 切除用の金属の輪にをポリープにかけます。

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金属の輪をポリープの根元で縛ります。 電気を通電させ、切除します。 切除したポリープを回収します。

実績

消化器内視鏡 手技別内訳
(件)
  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
検査 上部消化管内視鏡 3,108 2,897 3,321 3,301 3,360
下部消化器内視鏡 1,211 1,003 1,133 1,113 1,128
治療 内視鏡的狭窄部拡張術 85 22 80 66 35
内視鏡的胃・食道静脈瘤治療
(EVL・EIS)
4 6 8 11 6
粘膜下層剥離術
(ESD)
96 95 103 92 88
内視鏡的消化管止血術 91 92 93 100 117
胃ろう造設術 38 59 42 37 40
粘膜切除術(EMR) 636 612 744 626 681
胆管・膵管系内視鏡
(ERCP・EST・ERBD等)
175 152 187 164 187
小腸内視鏡(DBE) 45 60 43 57 45
カプセル内視鏡(パテンシーカプセル含む) 53 36 50 73 80
内視鏡的消化管ステント留置術 14 11 13 18 22
内視鏡的消化管異物除去 25 22 22 32 22
その他 53 92 114 37 54
合計 5,706 5,159 5,953 5,727 5,865

消化器病センター

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